つけ麺の〆にはスープ割

毎度お送りしている阿藤豊のラーメン話ですが、今回はラーメンではなくつけ麺の話をお送りしたいと思います。

今回のテーマはつけ麺のスープ割りです。


つけ麺を食べ終わって、最後に待ち受けているものと言えば、スープ割です!

麺をあらかた食べ終わって、盛り上がったその場を静かにまとめてくれる大事な存在こそがスープ割です!!

つまり、スープ割がどれほどおいしいのかというのは、そのラーメン自体の評価にも大きくつながってくるのです!!!


つけ麺のつけ汁は麺を絡めて食べるというそのスタイルから味が濃い目になっている場合が多く、いかに美味しいラーメンで、その最後の一滴まで飲み干したいといった場合でも、味が濃すぎて飲めないという場合が往々にしてあり得ます。

そんな時、お店が用意してくれている出し汁を使って最後まで味わう事ができるというのがスープ割の良いところでしょう。

だし汁はお店によって異なり、海老などの魚介だしを使った店や、豚骨などのラーメンに合っただしを使ったお店、中には柚子の風味が香る和風だしを出してくれる場所もあります。


店によっては味を薄めるのがポリシーに反するというところもあり、すべてのお店でやっているとは断言できないのですが、ほとんどのお店ではスープ割用の出し汁ポットが用意されていたりするものです。

中には、厨房の方に出し汁を用意してくれていて、お店の思うベストな状態の割り方でスープ割を提供してくれるところもあります。

最後までスープ割を楽しみたい方はそういったお店に行くと良い体験ができるでしょう。


そもそも、スープ割というのはどうやって始まったのでしょうか?

それはつけ麺の歴史を遡ることでひも解くことができます!

そもそもつけ麺とは、東池袋大勝軒の創業者である山岸一雄が賄いとしてお店に残った麺と、湯呑み茶碗に入れたスープでラーメンを食べていたことが始まりとされています。

商品化された際の名前は「特製もりそば」だったのですが、そのような名前だったことには理由があるのです。


この「特製もりそば」という名前は山岸の故郷、長野にある「信州そば」に由来します。

そもそもこのつけ麺の食べ方というのもざるそばをモチーフにして始まったという部分がありますから、それも納得です。そして、ざるそばの締めと言えば、そばつゆを蕎麦湯で割って飲むというのがお決まりです。

諸説あるようですが、つけ麺のスープ割はここからきているとされており、最初は麺を茹でたお湯で割るところから始まったという話も耳にします。スープ割は最後まで美味しく食べるための工夫から生まれた食べ方なのです。


スープ割をすることによって、これまで濃厚で辛みのあったつけ汁が新たな味に変化して、さらに美味しくご飯を食べ終わることができます!

つけ麺にはやっぱりスープ割が欠かせません。スープ割が美味しいお店を知ることでつけ麺を楽しみがまた一つ増えるでしょう!